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獣の奏者Ⅲ・Ⅳ

泣きながら本を読んだのは、初めてかもしれない。


「生まれて、死ぬまでの間に」
「この十年があって、よかった」

探求編で、このイアルの言葉があったからこそ、私は完結編を読み通すことができたような気がする。
エリンが家族と幸福な時間を持てたという事実。
これがなければ、エリンの運命の過酷さ、理不尽さを受け入れられなかっただろう。

なぜ、こうなってしまったのか
もし、あのときこうしていたら
エリンが妻でなかったら
エリンが母でなかったら

いくつもの「もし」が私の頭の中を巡り、胸をぎゅうっと締め付ける。

しかし、エリンは覚悟を持って、イアルを愛し、ジェシをもうけたのだ。
エリンはいつも正直に自分を貫いていた。たとえ自分の進む道が土気色の細い一本道であろうとも。
だから、「もし」を考えることは、エリンに対して失礼である気がする。


物語は登場人物それぞれに過酷な運命を背負わせる。
だからこそ「みんな幸せで大団円」という結末を望みたくなるが、この物語に関して言えば、それは全く安易で陳腐な結末にしかならないような気がする。
この非常に重い結末があるからこそ、私たちは深く考えることができるのだ。
人と獣のあり方を。歴史を。

母が奏でた闘蛇を操る指笛を聴いたその瞬間に、エリンの運命はもう決まっていたのかもしれない。

 

獣の奏者 (3)探求編

著者:上橋 菜穂子

獣の奏者 (3)探求編

 

獣の奏者 (4)完結編

著者:上橋 菜穂子

獣の奏者 (4)完結編

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