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森に眠る魚

図書館で見つけたとき、手に取るのを一瞬ためらい、借りるかどうか逡巡し、結局「怖いもの見たさ」で読み始めた。

母親5人が出会い、交流を深め、心を許しあい、そして次第に心の闇へ、暗い森の中へと引きずり込まれていく。

私は周りに良い友達がいて、恵まれている環境にあると思うが、それでもママ友関係は本当に難しいと感じる。
1対1ではなく、「相手」と「自分」との間には、必ずお互いの子どもの存在があるから複雑だ。

「こんなこと私の周りで起こるはずがない。」
断言したいが断言できない。
「ここは田舎だし。『お受験』なんてないし。登場する母親たちと自分とは、立場も考え方も性格も違うから。」と、言い訳じみた理由を並べて無理矢理安心感を得ようと藻掻く。
そして、彼女たち全員が自分の分身であるような、自分の醜い気持ちを見透かされ、晒されたような感覚におののく。

読了後は落ち込みさえした。
私はうまくやっているんだろうか。
これからうまくやっていけるんだろうか。

他愛もない話に興じ、その瞬間だけ悩みなど忘れる。
お互いの関係に悩んでないように見せる。
一旦不満を吐露してしまえば、堰を切ったように溢れ出す。
離れればいい。
離れれば楽になる。
でも離れられない。
そして彼女たちと会う明日は否応なしにやってくる。
明日など来なければいいのに、時計の針は残酷なまでに時を刻む。

彼女たちは結局バラバラになった。
それぞれ大切なものを得、大切なものを失った。
彼女たちには自業自得だが、母親の精神バランスが崩れた影響が子どもたちに及んでしまう箇所は、酷く痛々しかった。
子どもはお母さんが大好きなのに。

私は健康であるように努めよう。
肉体的にも。精神的にも。

森に眠る魚

著者:角田 光代

森に眠る魚

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